2008年3月17日月曜日

ツバメがやってくる教会 Mission San Juan Capistrano

今日3月17日は、St.Patrick's Day 、アイルランドのお祝いの日です。アイルランドの移民の多いアメリカでは、この日人々は何か緑色のものを身に着けます。グリーンは、アイルランドのシンボルカラー、Shamrock (クローバー) の色で、希望を表します。とりわけこの日子供たちは、何か小さなものでも緑色を身に着けてに学校に行かないと他の生徒からピンチされる(つねられる)というようなことで、緑のハンカチを首に巻いたりして出かけていくそうです。NYやボストンなどアイルランドの移民が特に多い地域では盛大なパレードが催され、またシカゴでは、川を緑に染めたりと、本国での聖者パトリックを祝う厳かな行事は、アメリカではむしろ、フェスティバルのようなのりです。                           

毎年この時期に、カルフォルニアア州オレンジカウンティーにある、州内最古のミッション(米国南西部に伝道したメキシコからのスペイン布教団の拠点)San Juan Capistrano で、「Return of the Swallow Celebration 」 いうフェスティバルが催されます。ここは、別名「ミッションの宝石」と呼ばれるとても美しいところです。毎年春になるとここに cliff Swallow と呼ばれる色鮮やかなツバメが帰ってきて建物の軒下にたくさんのツバメの巣を作っていたそうです。そんなことから「ツバメの教会」とも呼ばれています。   San Juan Capistranoの鐘

昨年クリスマスに、ここから少し南に下ったLaguna Niguel という海沿いの町のホテルでパーティーがあり、そこで知り合った人から、「ここの近くに春になるとツバメが帰ってくる古い教会があるので、是非一度いかれるといいですよ。」と教えてもらいました。この話を聞いた途端、一冊のメキシコの絵本を思い出しました。題名は忘れてしまいましたが、一目で気に入って買った絵本で、内容は毎年春になって教会にツバメが帰ってくるのを楽しみにしている少年の話で、その教会におじいちゃんと出かけていくというような素朴なストーリー。ツバメが帰ってくる教会と聞いた途端、なんだかそこが絵本の場所のような気がして、春になったら必ず行ってみようと楽しみにしていました。。
ただ教会の名前も分からず、ネットで、「カリフォルニア、古い教会、ツバメ」と打ち込んで、ヒットしたのが、San Juan Capistrano でした。そして同時にここが知るる人ぞ知る密やかな教会ではなく、カルフォルニアで有名な歴史的遺産であることも知りました。

いよいよ3月の半ばとなり、カレンダーには書き込んで待っていた先週末の土曜日にその教会を訪ねました。高速を車で一時間の距離。この日風は冷たくジャケットがいるような気温でしたが、澄んだ青空のとてもいいお天気でした。今カルフォルニアは、まさに花の季節の真っ盛り、どこに行っても色とりどりの花々で一杯です。今年は特に冬場雨が多かったせいもあり、花がいっそうきれいなのだそうです。
San Juan Capistrano は、町名でもあり、こじんまりとかわいい町並みで、町全がHistoric Site。町の真ん中に駅があり、歩いても十分回れるので列車でやってくるのもオススメです。LAからサンディエゴ行きのアムトラックが一時間おきに出ています。ちょうど着いたのがお昼時だったので、まず腹ごしらえ。アメリカの古きよき時代の象徴のようなホワイトピケットで囲われたテラスのあるTea House でランチをした後、駅を超えて反対側にあるMisiion へ。9ドルの入場料を払って入ることになり
ます。案内は音声ガイドが用意されまるでミュージアムのようです。ちょうどこの日は、「Return of the Swallows Celebration 」 というお祭りの日にあたり、園内は、フードやギフトのお店も出て賑わい、コンサートも催されてと、とてもにぎやかでした。庭に咲くポピーの花やサボテンの花が、色鮮やか、アメリカというよりは国境を越えて
メキシコといった風情です。ここの教会の建物は、1776年に建てられたそうで、当時はまだメキシコの一部、1848年にカリフォルニア州となる以前の建造物で、カルフォルニアでは、最古のものとなります。1812年の地震で建物がかなり崩壊してしまったということですが、今も残る石造りの回廊や建物など、ちょっと遺跡のようで歴史を感じさせます。中でもすばらしいのが、今も残る礼拝堂で、スペインのから運ばれたバロックスタイルの金箔の祭壇や木彫りの像などすばらしいものでした。 ランチをしたティーハウス この日ブライダルシャワーが行われてました。 プレートの椿の花は庭で取れたもので食べれるそう

ミッション内の石造りの建物と庭
残念なのは、ツバメの姿が見られなかったこと。今ではツバメが巣を作るための泥を得ることができなくなってしまい、この教会にツバメが帰ってくることはなくなったそうです。ただ、ここから程近い海辺まで行けば今もツバメの姿が見られるそうです。今度ツバメに会いに行ってみたいと思ってます。
そして、今回の訪問では、ツバメに会いに来るのを楽しみにしている少年の話もなんら手がかりになるものはありませんでした。今も私の空想の世界のまま。 ちょうど今月末日本に行くので、倉庫の中で眠っているこの絵本を探し出してこようと思っています。絵本との再会が楽しみ。

ミッションを後にして駐車場へあるいて途中、教会の鐘の音が聞こえてきました。じ~んと心に染みるすばらしい音色でした。目を閉じると今も聞こえてくるようです。




   礼拝堂の中 

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